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第2組曲 リード作曲

Second Suite for Band-Latino-Mexicana
A.リード (Alfred Reed 1921-2005)

I. Son Montuno
II. Tango -"Sargasso Serenade"
III. Guaracha
IV. Paso Doble -"A la Corrida"

I. ソン・モントゥーノ
一気に沸き起こる序奏と、特徴的なリズムが瞬時にラテンの世界へ引き込んでしまう。快速で休符を効かせたリズミックな旋律だが、大きなフレーズで歌われるのが魅力的。
カップ・ミュートの金管群とベースラインによる伴奏がエキゾティックであり、もちろんマラカス・クラヴェス・ティンバレスといったラテン・パーカッションも縦横無尽に活躍して、強力にドライヴ。

II. タンゴ "サルガッソー・セレナーデ"
サスペンション・シンバルの響きの中から静かに沸き起こる、優美なクラリネット・ソロによる序奏。主部ではタムと金管群の伴奏が非常に優しく奏され、美しい旋律を包み込む。
大変幻想的であり、ラテン・アメリカのロマンティックな夜の情景を描き出していく。中間部では再びクラリネット・ソロが呼び返され、徐々に胸をきゅんと締め付ける楽想へ。
(初めて聴いた時はまだ恋を知らない高校生の私だったが、そんな私にもロマンスの甘さや喜びを想像させ、憧れをかき立てる音楽だった・・・。)

III. グァラーチャ
陽気で快活な酒場の歌か。ここでもラテン・パーカションが大活躍、息の長い旋律と飄々としたリズムの対比が魅力的。
段々と遠くなる音楽が突然のテュッティで驚かせ、曲を閉じる。

VI. パソ・ドブレ ”ア・ラ・コリーダ”
高らかなファンファーレと重厚なサウンドで決然と開始、続くトランペットのソロによってあっという間に闘牛場のムードに引き込まれる。
即興的なクラリネットとフルートのソロに続き、緊張感を漲らせた、快速でエキサイティングな5/4拍子の主部に突入する。転調して輝きを増す3/4拍子、伸びやかな音楽が耳に心地よい。5/4拍子の再現部を経て3/4拍子に戻ってからは、さらにスケールの大きな音楽となってクライマックスへ突き進んでいく。

by east-winds | 2008-05-14 17:14 | ♪楽曲解説♪